髪の毛の構造
髪の毛は森林や畑に例えられることが多いです。頭皮が大地や畑だとすると、そこに生えている草や木が髪の毛にあたるというものです。草や木に幹や根があるのと同じように、髪の毛にも毛幹や毛根があります。
毛幹とは、皮膚の表面から外に出ている部分で、通常目にしたり触ったりすることができる髪の毛の部分にあたります。木々の幹と同じように目にすることができる部分を、髪の毛では毛幹と言います。
毛根とは、皮膚の内側にうまっている部分で、普通は目にしたり触ったりすることはできません。草や木の根と同じように目にすることができない部分を、髪の毛では毛根と言います。
根がしっかりと生えていなければ草や木が丈夫に育たないのと同じように、毛根がしっかりと働かなければ、丈夫な太い毛は生えてきません。
毛根部の下部には毛球があります。毛球部分は球根状をしています。球根から草花が成長してくるのと同じように、毛球部分から髪の毛は成長していきます。
毛球には毛母細胞と毛乳頭があります。毛乳頭には毛細血管が流れ込んでいて髪の毛の成長に必要な栄養分や酸素などを供給します。また、毛乳頭は髪の毛を成長させる指令も発します。毛乳頭から栄養分が供給され成長の指令が発生されると、毛母細胞は細胞分裂を起こします。この毛母細胞の細胞分裂によって髪の毛は成長していくのです。
毛根の毛球にある毛乳頭から指令が出されて毛母細胞が分裂し髪の毛は成長していきます。毛根部は生きた細胞ですが、毛幹部の髪の毛はすでに死んだ細胞です。すでに死んでいるので、傷ついたりするともう元には戻りません。髪の毛には神経や血管などはないので、切っても痛くもなければ血が噴き出してくるようなことはありません。
髪の毛1本1本がどのような構造になっているかというと、髪の毛はのり巻きのような3層構造をしていると例えられることが多いです。のり巻きは中心に具であるかんぴょうやキュウリがあり、そのまわりにご飯があり、外側はノリで巻かれています。
髪の毛も同様に中心の具材にあたる部分にはメデュラ(毛髄質)という部分があり、そのまわりのごはんの部分にはコルテックス(毛皮質)という部分があります。一番外側にあたる部分はキューティクル(毛小皮)が海苔のように全体をまいています。このように髪の毛はのり巻きのような3層構造をしています。
コルテックスは、髪のしなやかさや強さを生み出す元となる成分が含まれています。また、髪の毛の色を決める成分であるメラニンも含まれています。
キューティクルは魚のうろこのような構造で何枚も重なり合っていて、内側のコルテックスに含まれるたんぱく質や水分が流れ出ないように保護しています。
キューティクル自身は摩擦に弱く、ブラッシングやシャンプーなどで簡単に傷ついてしまい、内部のたんぱく質や水分が流れ出たりします。また、はがれた部分から髪が枝分かれして、枝毛や切れ毛のもとになってしまいます。
髪の毛は死んだ細胞なので、傷ついたキューティクルは元には戻りません。キューティクルが傷つくと髪からうるおいや張りが無くなってしまいます。つやのある美しい髪を守るためにはキューティクルを大切に扱うことが重要になります。
髪の毛が生える仕組み コンテンツ
髪の毛の役割|
髪の毛の構造|
髪の毛の成分|
髪の毛のヘアサイクル|
髪の毛の細胞分裂
髪の毛を成長させる司令塔|
髪の毛を成長させる土壌|
髪の毛に栄養分を補給
髪の毛の成長速度|
髪の毛が生えてくる場所|
髪の毛の水分量